ベトナムってどんな国?知っておきたい基礎知識をご紹介


2020/10/28
コンピューターシステムの運用や管理だけでなく、開発から海外の企業に委託するシステムである「オフショア開発」。このシステムを利用することで企業は人件費やコストを安く抑えることができるというメリットを得られます。そのオフショア開発国として注目されている国がベトナムです。近年、ベトナムではIT業界に変化が起き始めているといわれますが、ベトナムのIT業界に何が起きているのでしょうか? ***

アジアの中でのベトナムという国とは・・・

ベトナムの面積は33万1,690平方キロメートルと日本の0.88倍の広さの南北に長い国です。総人口約9,073万人(2014年ベトナム統計総局)のうち、北部の首都ハノイ市に人口約700万人、南部ホーチミン市に人口約800万人が住んでいます。この2都市に人口が集中していると言えます。経済・工業の中心ハノイ、観光の中心ホーチミンです。

そのベトナムと日本との関係を考える時、日本に留学生しているベトナム人は28,061人と2014年6月現在で中国についで世界2位です。学術交流が密に行われているアジアの国だと言えます。

また、ベトナムに在留している日本人は12,254人(2013年10月現在)と、こちらも多くの人が滞在しています。 日本との関係が深いベトナムですが、それでは実際に滞在するとどのような生活となるのかについてご紹介します。

日本との生活面の比較、その特徴と注意点とは・・・

住環境について

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ベトナムでは最近土地価格が急騰しています。15年前に200万円だった土地が2,000万円になり、なんと10倍に跳ね上がっています。特に、南部ホーチミン市は観光エリアでもあり、地価の高騰と言う土地問題を抱えています。一般サラリーマンの平均年収は60万円程度などに対し、現在4,000万~6,000万円の土地付き1戸建てを購入しなければなりません。東京並みの土地の高騰です。

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ベトナムでは、数世帯で住む風習があり、住居に広い土地を購入して家を建てるのが常で、逆にマンションは人気がありません。1,000~1,500万円で120平方メートルの様々な施設が併設する豪華なマンションが購入できます。ベトナムではマンション購入がおすすめと言えます。

しかし、実際の所、注意すべきは、2013年現在ベトナムの法律では外国人はいかなる財産の所持も許されていないとなっています。最近は土地やマンションの購入ができるように草案は出ていますので、今後は可能になるかもしれません。

賃貸などの場合は、インターネットで不動産会社を通して探すことになります。日本人スタッフが運営しているサイトもありますので安心して探すことができます。 賃貸形態について3つの種類があります。

  1. 法人が貸主で、法人が建物の運営管理をするサービスアパートメント
  2. 個人が貸主で、法人が建物の運営管理をするコンドミニアム
  3. 個人が貸主で、個人が建物の運営管理をするアパートメント

貸主が法人もしくは、賃貸経験のある貸主を注意して選んだ方がトラブルが少なくて済みます。

食環境について

食べ物も日本人には馴染みやすいものが多く『フォー』」や『生春巻き』などは、よく日本でも知られていて人気です。全般的にマイルドな料理が多く、コメを主食にしている特徴も日本人には好まれます。南北に長い国なので、北部は塩辛く、中部は辛さがあり、南部は甘いココナッツジュースやココナッツミルクを多用しています。

通貨について

通貨はベトナムドンです。主要なホテル、レストランなどでは米ドルも利用できるので便利です。米ドル、日本円などが換金しやすく生活しやすい国です。また、空港などよりも町の中での換金の方がレートが安く済みます。クレジットカードが活用できる所も増えてきましたが、手数料については調べる必要があります。

気候について

南北に長い国ですので、南北に移動する場合は、温度差に注意する必要があります。年間を通して気温は高いのが特徴です。南部は5月~10月頃が雨季、11月~4月が乾季となっていますが、最近では気候変動のため乾季でも雨が降ることがあります。

環境について

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長い海岸線を持っているとともに、国土の4分の3がアンナン山脈などの山岳地帯です。南部には、メコン川があるメコンデルタ地帯があります。アジアでも自然の恵みが豊かな国と言えます。海・山・里の食物も豊かで、ハノイ、ホーチミンと言った都市も一大穀倉地帯です。

文化について

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南北で異なる文化と芸術を持っています。北部の紅河デルタ地帯に発祥した『水上人形劇』は有名で、現在ではハノイやホーチミンに劇場が作られ、観光客に人気となっている伝統文化の一つです。 民族衣装「アオザイ」も有名です。ベトナム人にとっては礼装で、現在も正月や結婚式などの大事な席などに着られています。最近では都市部では日常的に着られなくなっています。

宗教と民族、言語、国民性について

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国民の70%が仏教徒です。他にもキリスト教、イスラム教、カオダイ教が広がっています。

また民族は都市部に住んでいるキン族がベトナム国民のうちの85%です。その他の15%は53もの少数民族で、多くは山岳地帯などに住んでいます。ベトナムが他民族国家だという特徴を知る必要があります。多くの文化や宗教が共存していて、少数民族の伝統舞踊が今も残り、山間部に行けば民族衣装をまとった彼らに出会うこともできます。また、それらの民芸品を都市部で買うこともできます。

言語については、公用語はベトナム語で観光地以外では英語はあまり通じないので注意が必要です。 国民性については、日本人に近いとも言われ、明るく素朴で勤勉だと言われています。

イエス・ノーをはっきり言えない点も日本人と近い所があり親しみやすいと思います。南北でも多少違いがあり、南部は大らかで北部ハノイ周辺では几帳面な人が多いとも言われています。

歴史について

ベトナムは、中国と国境で接しているため、古くから中国に占領され、フランスにも長い間占領されてきた歴史を持っています。そして、ベトナムの歴史の中で大きなのはベトナム戦争です。1960年代初め~1975年まで長期にわたった南北のベトナムの武力衝突です。アメリカとソ連・中国の政治的戦略的な戦争に巻き込まれたと言えるかもしれません。北ベトナムが勝利し、アメリカ軍が撤退しましたが、南北ベトナム人が200万人も犠牲になっています。

1976年に南北のベトナムが統一され、ベトナム社会主義共和国が成立しています。

法律について

ベトナムの法律は変わりやすいというのが現状です。ベトナムの税制には、法人所得税(CIT)、個人所得税(PIT)、付加価値税(VAT)等があります。日本の法人税、所得税、消費税に値するようなものです。

注意点は税制も頻繁に改正され、最新情報がつかめないということや細則や規定が十分ではない事などです。きちんとした書面で入手したり、信用できる情報源を確保したりすることが大事です。また様々な手続きに時間を擁しますのでその点も注意して行ってください。

まとめ

ベトナムの基礎知識の生活編をご紹介しました。地理的、歴史的な面からも南北で色々と異なることが多いベトナムです。それぞれの地域の事情や文化、法律もわかりにくい点があります。しかし、日本に近い食生活や勤勉で親しみやすい国民性などベトナムは日本にとってアジアの中でも近い国と言えるのではないでしょうか。

参照元: labo-gate.com

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